民法総則 契約の有効性

契約は、当事者の意思表示が合致することによって成立するものである。
たとえば、甲と乙が売買契約を締結する場合、

甲(買います)→←(売ります)乙

甲の買いますという意思表示と、乙の売りますという意思表示が合致して初めて契約が成立する。
これまでは、契約内容はさておき、当事者に注目して、話を進めてきた。

まとめておくと、
1、まず、当事者には、意思能力と行為能力が必要である。未成年者や成年被後見人の場合は、意思表示は取り消しうるものとなる。

2、意思の欠缺があった場合は、契約が有効に成立しないことがある。たとえば、心裡留保、虚偽表示、錯誤のように、意思が欠けている場合は、契約は無効となる。詐欺、強迫のように意思表示に瑕疵がある場合は、契約は、取り消しうるものとなる。

3、代理人によって契約することもできる。この場合は、代理権の範囲内で、契約が締結されていなければならず、原則として、代理権の範囲外の行為の効果は本人に帰属しないことになる。このことを特に、効果帰属要件と表現することがある。

4、法人が契約の当事者となることもできる。代理の場合同様、法人に代わって行為をする代表者の権限が問題となる。

以上が、契約の当事者の問題である。
次に問題になるのは、契約内容についての有効要件である。
簡単に言えば、当事者が契約したとしても、それが、実際になしうるものでなければ、契約をする意味がない。その契約が実際に、なしうるものかどうかを判断する必要がある。

契約内容の有効要件として、
確定性、実現可能性、適法性、社会的妥当性について問題となる。

以後、契約内容の有効要件について見ていくことにする。

以上、今日は、「民法総則 契約の有効性」についてでした。